638 :名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 23:35:14 ID:7ZnxHgNP

一体なぜ、こうなってしまったんだろう。

…最初から、叶わぬ恋だったというのだろうか?


合宿が終わってから、梢子先輩は変わってしまった。

もはや私のことなど見向きもしてはくれない。

先輩が「見て」いるのは…あの相沢保美、「彼女」に他ならない。


「し、梢子先輩!私、形でこの部分が気になって…」

「そう?それじゃ、もう一度やってみてもらえる?」

「あっ…はい!あの、ここなんですけど…」

「そうね、ここは…」

「オサせんぱ〜い、ちょっと、ざわっち手伝っていただけませんかぁ?」

「あ、…わかった、ちょっと待っててー!…ごめん綾代、この娘の形、見てくれる?」

「はい、梢子さん。仮子さん、よろしくお願いしますね」


…まただ。また…梢子先輩は、「彼女」のほうへ行ってしまう。

あの時は…私のことを、熱心に見ていてくれた…はずなのに。


「それで、仮子さん、どの部分が気になるんでしょうか?」


この想いも、一方的だっていうことも、単なる我が儘だってことも…わかってる。

わかってるはずなのに…私の想いは抑え切れない。

梢子先輩への想いも…「彼女」への想いも。


「いえ…綾代先輩、ごめんなさい。単なる勘違いだったみたいです。…わざわざ手を煩わせてしまってすみません」

「あぅ…そうですか?それならいいんですけど…」


綾代先輩、ほんとにごめんなさい。



639 :名無しさん@ピンキー:2008/10/26(日) 23:44:25 ID:7ZnxHgNP

「…んっ…っは…はぁ……あぁあッ…!」

私は今日も一人、部活動の終わった更衣室にいた。

これまでよりも一層強いうしろめたさを感じながら、梢子先輩の胴着を抱きしめる。

「先輩っせんぱい、見て、みてよぉ…ッはぁぁあ…んッ!」

私の目の前に梢子先輩がいる。私のいやらしい姿を…見てる。

私の中にいる梢子先輩は、いつも私だけを「見て」くれている。

「せんぱぁい…好き、らいすきっ、なのぉ……んっ、すき…なのにぃ…っ」

…今日は、梢子先輩の匂い…いつもより……っ

…今日の梢子先輩、動き回って忙しそうだったからなぁ…

「ん…っ、…ふぅんッ……先輩、そこ、いいのぉ……もっと、っふぁ、してぇ…」

今、この瞬間だけは、私は…素直な私でいられる。

「くるっきちゃうよぉ……せんぱぁあっ…はぁ、んッふぁあんっ!」

梢子先輩…見てください。私のいやらしい姿…全部…「見て」

「…っく、ぃいくぅぅうぅ――――っんッッ!!」



また…しちゃった。梢子先輩の…梢子、先輩で…

私はしばらく余韻に浸りながら、襲い掛かる虚無感に苛まれる。

もう…こんなこと、…やめなくちゃ。

やめなくちゃ…いけないのに


「いけないいけない、忘れ物忘れ物〜!」

『…!』


「彼女」に遭ってしまうなんて。


「っ…仮子…さん?いったい…」


驚きの表情で「彼女」は私を見る。そりゃそうだ。

「彼女」の憧れの先輩の胴着で自慰してる娘と鉢合わせしたら、誰だってそういう反応をするだろう


「なに…やって…るの…?」


これはある意味、好機だろうか。

私から梢子先輩を奪った「彼女」に…ウサ晴らしするための。


「…見ての通りよ…『相沢さん』」

「あっ…ごっごごごごめんなさい!」

そういって逃げだそうとする「彼女」の腕を掴む。

せっかくだから…私が梢子先輩にしたかったことを、「彼女」に試してみるのも面白い。


これは…私からの…復讐…なんだから