495 :名無しさん@ピンキー:2008/09/24(水) 02:52:02 ID:Iu04X4A3
「…っはぁ、…んッ…ぁ、…梢子…先輩、……せんぱぁい…っ」
私は一人、部活動の終わった更衣室にいた。
今日も…梢子先輩の胴着姿、…とっても凛々しかったな…
竹刀を振るう先輩の姿を思い出す。誠実で、凛々しくて、厳しいけど…とても優しい梢子先輩。
形を指導してくれている間も、私に触れて、密着して、先輩の体温と吐息を間近に感じて…
部活の最中、私は終始どうにかなってしまいそうだった。
「せんぱいっ……もっと…見て、触ってぇ…っんはぁあッ!」
梢子先輩の着ていた胴着を抱きしめながら、私に触れる先輩の姿を想像する。
先輩の吐息を思い出して、先輩の汗の香りを思い出して…
「はぁ、ぁあ…っ、……せんぱいの…せんぱいのにおいがするよぉ…。っはぁ、あぁぁ……ッ」
より強く、胴着を抱きしめる。ほのかに梢子先輩の汗の香りが漂って…
私はそれだけで気をやってしまいそうになる…
「せんぱいっ、せんぱいぃ!もうっ好き、大好きなのぉ……っ、はぁっ、はんっ…」
指も、声も、抑えきれない。誰か来るかもしれない…そんな不安さえ高揚するための材料にする。
「っせんぱ……い…くッ、っくぅぅん――――ッ!!」
思えばコレも、一つの嫉妬から始まったのかもしれない。
「っはぁ……はぁ……。…梢子……先輩…もっと…」
先輩は、私のことを見てはくれていない。部員の監督をする上で私を「視て」くれてはいるけれど…
「もっと……見て。…私だけを見て……先輩…」
「彼女」のように、私のことを「見て」いてはくれないのだ。
「………」
…言いようのない憤りと虚無感に包まれて、現実へ帰ってくる。私はまた、梢子先輩への想いを、心の深奥に封じ込める。
私が抱きしめたせいで皺だらけになった先輩の胴着を綺麗にたたみ
「………相沢…保美」
「彼女」への憎悪も閉じ込めて、私は更衣室を後にした。