145 : ◆mTj9hjLz9w :2008/07/25(金) 17:34:00 ID:fIg/A+NO
真っ白な世界に私はいる。いや、眩しすぎて何もかも見えないのだから、真っ黒と言ってもいいだろう。頼れるのは嗅覚と聴覚だけらしい。いや、匂いも分からない。空気を吸えているのかすらも分からない。
音は……波――水の音が聴こえる。夏姉さんの声が聴こえる。『梢ちゃん』と、なだめるような、甘えるような声。
でもどこから聴こえてくるのかが予測出来ない。視界を奪われている私は、やみくもに手を伸ばしたり、必死にもがいている。私は言葉を発……。
……声が出ない。
私は波に飲み込まれている。飛沫を飛ばすこともなく、深く、深く、深く。海の底へと、沈む、沈む、沈む。
段々と何かが近付いてくる。その時私は、やっと何かを掴み――
「なっちゃ……」
「どうしたの? 梢ちゃん。熱あるんだから大人しくしてないとダメよ?」
上半身を起こし、視線をやると、夏姉さんがいた。
あれは、夢か。
私は布団に寝かされていた。
「私の服なんて掴んで、どうしたの? 怖い夢でも見た?」
「あ……うん……でも大丈夫」
そう笑ったけれど、夏姉さんは心配そうに私を見ていた。
夏姉さんには何でもお見通しなのだろうか。少し困ったような、嬉しいような、そんな気持ちだ。
「そうだ、風邪が早く治るおまじないがあるのよ。『夏夜お姉様助けて下さい』って唱えるといいらしいわ」
ダメだこいつ……早く何とかしないと……。
夏姉さんに私の風邪がうつってしまったようだった。
「ほら、梢ちゃん、は、や、く……」
「か、夏夜お姉様助けて下さい……」
私がそう呟くなり、夏姉さんは急に倒れてしまった。
146 : ◆mTj9hjLz9w :2008/07/25(金) 17:38:47 ID:fIg/A+NO
たぶん、きっと、いや、絶対に、確実にただの夏風邪だろう。
倒れたときに「あぁん、梢ちゃん……」とか聞こえた気もするが、それは幻聴に違いない。何せ私も風邪を引いているのだから。
そんな私が言えたことではないのだけれど、夏風邪はこじらせると大変だ。そのまま寝かせておこう。
そう決めた瞬間、夏姉さんは飛び起きた。
「梢ちゃん、私が……夏夜お姉様が助けてあげる」
そんな怪しい文句が聞こえたのと同時に、私は悟った。
『私の服なんて掴んで、どうしたの? 怖い夢でも見た?』
などと優しく問いかける夏姉さんは夢の中にしかいないのだと。そこまでが、夢なのだと。
「はい、お洋服脱ぎましょうね。そろそろ着替えた方がいいわ」
好意の言葉がこうも危なく感じるのはなぜだろう。
「梢ちゃんの汗が勿体ないでしょう?」
この変態さは、紛れもなく現実の夏姉さんだ。
いやらしく動く夏姉さんの指に、背筋がぞくりと冷たくなった。
だが、逃げようとするも体が動かない。やっぱり、私は風邪を引いているようだ。
夢と現実の違いも分からなくなってきた。
自分でも重症だと思う。
「ふあっ……!」
夏姉さんの指が私の胸に触れてから、パジャマのボタンを外していく。
「梢ちゃんの体、熱い……」
熱いのは風邪のせいです、などと反論する間もなく、夏姉さんはボタンを全て外し終えると、胸へと手を伸ばしてきた。
あいにく下着を着けていなかったので、いきなり先端部を指で弾かれる。
恥ずかしい……でも感じちゃうっ……!
なんて思ったのは、秘められた妄想と言う名の瘴気気に当てられた所為だろう。
夏姉さんから溢れている瘴気は尋常じゃない。紳士が出す瘴気を大幅に上回っている。
147 : ◆mTj9hjLz9w :2008/07/25(金) 17:40:58 ID:fIg/A+NO
「梢ちゃん『夏夜お姉様お願い』って言わないと治らないわよ……?」
「夏夜お姉様、お願いします……もっと、して下さい……」
私がこんなことを言うのも、秘められた妄想と言う名の瘴気に当以下略。
「かわいい……オプションで猫耳と尻尾でも付けて語尾を『にゃ』にしたら最高だけれど、あ、ニーソはデフォルトでね。でも今回はしょうがないわ。看病と言うおいしいオプションがついているんだもの」
途中から何を言っているのか私にはさっぱり理解不能だったが、理解したら負けだと直感的に思ったので聞かなかった。
夏姉さんは私の耳を甘噛みして私の反応を楽しんでいるようだった。私は目を瞑って快感を堪えた。
「下の方はどうなってるのかしら?」
そう妖しげに笑って私のズボンを下げた。
下着の中に、指が入ってくる……。
「あ、あ……」
夏姉さんの指が私の大事なところを擦っている。ぬるぬると滑っているのが分かる。
「梢ちゃんの海ぶどうぱんつ、グショグショね……」
夏姉さんは私の下着を取ると、指を入れてきた。
そのときに空気が入り、出し入れされるとぐぽぐぽと卑猥な音がした。私は恥ずかしくて顔を覆った。
「か、夏夜お姉様……空気が……んんっ!」
「いやらしいわね」
クスクスと笑いながらも、指を動かすのをやめてくれない。
もう片方の手で乳房を揉まれる。優しく形を変えていく乳房。自分のものなのだけれど、それはとてもいやらしかった。
「あっ、あっ……なっ……」
「『夏夜お姉様』でしょう?」
唇に指を置かれ、すぐさま訂正される。
「あ……夏夜お姉様……イっちゃ……」
「梢ちゃん、イキたいの? ……でも、まだイカせてあげない」
「ふぇ……」
ふっと卑猥な音は止んだ。
私の秘部は、夏姉さんの指をくわえたままヒクヒクと蠢いていた。
「いや……」
「もうちょっと梢ちゃんのかわいい顔見たいもの」
ニコニコしながら秘部から指を抜いた。
148 : ◆mTj9hjLz9w :2008/07/25(金) 17:42:34 ID:fIg/A+NO
なんで抜いちゃうの? もう少しで……もう少しで……。
私はただ物欲しげに濡れた指を見ていた。
「ほら梢ちゃん、欲しかったらおねだりしなきゃダメでしょう?」
「あ、う……」
私は流石に口ごもった。おねだりなんて……。
「このまま辛いのを我慢するの?」
「夏夜お姉様ぁ……私の熱いところに……指っ……指を下さい……!」
「ご褒美よ、梢ちゃん」
「あっ! ああああ!」
指を二本突っ込まれ、中を掻き回される。グチュグチュになっているのが自分でも分かる。
この恥ずかしい音がどこまでも響いているのではないかと心配になる。いや、そんなことはあり得ないのだけれど。
――夏姉さんが盗撮でもしていなければ。
まぁそんなことはあり得ない。そこまで変態ではない、と思う。
「気持ちいい? イっちゃう?」
そう聞かれ、私はコクコクと頷くことしかできなかった。
「んあ……イク! イクぅ……!」
私は絶頂に達しながらもふと思った。
こんな……こんなヘタレじゃない夏姉さんは夏姉さんじゃない!
しかし、そんな思いも眠りに勝てるわけはなく……。
…………。
私は波に飲み込まれている。飛沫を飛ばすこともなく、深く、深く、深く。海の底へと、沈む、沈む、沈む。
段々と何かが近付いてくる。その時私は、やっと何かを掴み――
「なっちゃ……」
「どうしたの? 梢ちゃん。熱あるんだから大人しくしてないとダメよ?」
Endless.