「きゃあぁぁぁっ!?」

 台所から聞こえてくる愛しい桂さん悲鳴。

 何事かと慌てて駆けつけると頭から白い液体を被ってずぶ濡れの桂さんがそこにいた。

「ふえ……烏月さん……」

 立ち尽くしたまま涙目で私を見る桂さん。

 中身をぶちまけて床に転がった瓶を見るに白い液体はカルピスの原液のようだ。

 どうしてこんな事態に至ったのかは全くわからないが、桂さんらしいといえばらしい。

 が、今案じるのはそのことではない。

「大丈夫かい桂さん? 瓶に当たったりして怪我はないかい?」

「うん……大丈夫」

 その返事を聞いて安心する。

 だが、安心して余裕ができるといろいろなものが目に付く。

 桂さんの顔に張り付く白い液体、濡れたシャツから透けて見える胸の先端……

 何で桂さんはノーブラなんだろうと思ったがそんな些細なことはどうでもいい。

 とにかく今の桂さんは酷く扇情的だった。

「うぅ、べとべと……私お風呂入ってくるね。ここの片付けは後で私がするから烏月さんは――」

「いや、桂さん……私が綺麗にしてあげるよ」

 桂さんの言葉を遮ってその細い身体を抱き寄せる。

「う、烏月さんっ!? こんなことしたら烏月さんまで汚れちゃうよ!」

「桂さんと一緒なら構わない……」

 非難を無視して桂さんの唇に口付ける。

 さすがにいつも味わっている桂さんの味よりもカルピスの味のほうが強かった。

「んっ……烏月さん……」

 一度唇を離して舌で桂さんの唇の輪郭をなぞっていく。

 味だけでなく、その声も甘い。

 どうやら桂さんは受け入れてくれたようだ。

 次に頬を舐め、鼻の頭も舐め取った。

 こうも近くで舐められるのは恥ずかしいのか桂さんの瞼はぎゅっと閉じられている。

 その表情が可愛くて、私は瞼にキスを落とす。

 こうして桂さんの顔中を舐め、口付けている間、片手でシャツのボタンを外し胸を肌蹴させた。

「顔だけじゃなくて、こっちも綺麗にしないとね」

「ふぁ……んんっ」

 首筋から鎖骨と降りていって、私の唇が桂さんの乳房に触れると一層艶やかな嬌声が漏れてくる。

 カルピスでべとつく乳房をその麓から頂上に向かって舌を這わしていき、頂上の蕾を舌先で弾く。

「桂さんのここ……硬くなってきてる……何故だろうね? 私は桂さんを綺麗にしているだけなのに」

「やぁ、ん……烏月さんがこんなえっちなことするから……」

 俯く桂さんと目が合う。


「言ったろう? 私は綺麗にしているだけだよ……こんなふうにね」

「あぁっ、ぁん……」

 桂さんの乳首を私は舌全体でで丹念に舐め上げていく。

 だんだんとさらに硬く尖っていくのを感じられた。

「もう片方は吸ってあげるよ、桂さん」

 カルピスから私の唾液でべとつくようになった右胸から左胸へと唇を移動させる。

「ちゅっ、じゅっちゅる……」

 乳房にキスをいくつも降らせ、時折強く吸い付いてみせる。

「ひゃっうんっ……跡付いちゃう……」

「なに……ここなら問題ないだろう?」

 桂さんが懸念したようにしっかりと赤く唇の跡が付いていく。

 そして胸の先端に赤ん坊が乳を飲むようにしゃぶりついた。

「んっ……ちゅぅ……」

 もちろん母乳ではなくカルピスの味。

 角度を変えながら何度も吸い付くと、本当に自分が桂さんの母乳を吸っているのではないかという錯覚を感じた。

「う、づきさん、そんなに吸って……はぁ、もう綺麗になったよぅ……」

「確かにそうだね。でも綺麗にしなくちゃいけないところはまだ一杯あるよ……」

 そう言って胸からお腹へ唇を移す。

「……んっ……ひゃっ……あぅ……」

 お腹全体を舌で舐め取っていくと、胸を綺麗にしたときの艶やかな嬌声とは違った純粋にくすぐったそうな桂さんの声。

 その可愛らしい声は情欲よりも悪戯心を掻き立ててくる。

「この中まで汚れてしまったかもしれないね。ちゃんと綺麗か確かめないと」

「えっ……?」

 桂さんのお臍の穴に舌を添えると舌先を丸めて突き入れた。

「だ、だめっ! 汚いよ……んっ、んんっ」

 桂さんの反応も当然だ。

 今までお臍はその周囲を舐める程度であり、こうして舌を深く入れたことはなかった。

「いいんだよ、綺麗にしているんだから……」

「でも……ひぁっ……あぁんっ」

 ぐりぐりとお臍を穿っていき、ひとしきり桂さんの反応を味わい満足して舌を抜いた。

 だが、それで全てを満足したわけではなく、さらに私は下っていく。

 丈の短いスカート下で露出し、やはりカルピスに濡れた太股に舌を這わせ、今度は逆に上り始める。

「桂さん、持っていてくれるかい?」

「……うん」

 スカートを前にめくり上げ、桂さんに持っているようお願いする。

 レースの入った純白のショーツが露になり、太股を舐めながらそこへゆっくりと向かった。

「さて……ここはどうかな?」

 ショーツ越しに秘所へと口付ける。

 確かにカルピスの味はしたがスカートで遮られていたこともあり、ここばかりは桂さんの女としての味のほうが強かった。

「やはり掛かってしまってるね。綺麗にするには脱がないことには……」

 するするとショーツを降ろしていき、桂さんに脚を少しだけ上げるよう促して抜き取ってしまう。

「脚、広げて?」

「うん……綺麗にしてね、烏月さん……」

 どうやら桂さんもだいぶ乗ってきたようで、頬を真っ赤に染めて懇願してきた。

 桂さんのこの表情に私も存分に昂ぶりを覚え、早速秘所の柔肉に指を掛け外側に広げてみせた。

「はぁんっ……」

 てらてらとカルピスではなく愛液で濡れた桂さんの秘所をまずは下から上へ大きく舐め上げる。

 数度その行為を繰り返し、次に秘所に口付け、啜っていった。

「じゅっ、んっ……ちゅ、じゅずゅっ」

「やぁ……あんっ! はぁっ、ふぅ……っ」

 部屋中に桂さんの嬌声と秘所を啜る淫靡な水音が響く。

 だんだんと啜る場所を移していき、陰核に辿り着くと唇に付いた愛液で充分に濡らし、唇で挟み込んだ。

「ひぁっ! くぅんっ……」

 陰核への刺激は強烈なのだろう。足が震えているのがわかる。

 このまま一気に決めてしまおうと思い、舌で陰核を剥き上げ捏ね繰り回して、勢いよく啜った。

「うぅっ、烏月さん……わたし、もう……ふぁ……ああぁぁんっ!!」

 びくっと身体を痙攣させて桂さんが絶頂を迎える。

 私は立ち上がって息をつく桂さんを寄りかからせた。

「はぁ……綺麗にしてくれてありがとう……烏月さん……」

「ふふ……桂さんのためだからね。とりあえず、お風呂に入ったほうがいいね」

「烏月さんも一緒にお風呂入ろう? 今度はわたしが烏月さんを綺麗にしてあげるから……」

「ああ、お願いするよ」

 微笑んで抱きしめ、唇にキスをする。

 カルピスの味はもうしなかった。