746 :名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 01:18:38 ID:DNY3/+Bd
今日は、4月1日『エイプリルフール』。
桂の家に遊びに来た烏月は、ちょっとした悪戯心で桂を騙す事にした。
(いくら桂さんでも途中で気が付くハズ…)
そう思った烏月は、早速実行に移す事にした。
「うぐっ……桂さん…大変だ……」
「ど、どうしたの烏月さんっ!?」
「どうやら、こないだ闘った鬼に呪いをかけられたみたいだ……」
「の、呪いっ?大丈夫なの〜〜っ!?」
「だ…大丈夫…うぐっ!」
「烏月さ〜〜んっ!?」
747 :名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 01:22:34 ID:DNY3/+Bd
ワザとらしく苦しむフリをする烏月。
そんな烏月の様子を見て、パニックになる桂。
(プクク……ああ、あんなに慌ててる桂さんもカワイイな)
「大丈夫ぅ〜〜〜烏月さんっ!?」
桂の表情を見てみると、うっすら涙を浮かべている。
その表情が、烏月の萌えスイッチを更に入れてしまったのであった。
(カワイイ………もう少し騙しちゃおうかな?)
どうやら、烏月はまだ嘘を続けるつもりの様だ。
「コホン……驚かないで聞いて欲しい。あー……実はだね桂さん」
「うん」
「私にかけられてる呪いなんだけど」
「うんうん」
桂は健気に烏月の話を頷きながら一生懸命聞いています。
748 :名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 01:27:04 ID:DNY3/+Bd
「呪いが解けないと私は……」
「うんうん」
「カラスになってしまうんだよ」
「そんなぁ〜〜〜〜っ!?イヤだよ烏月さ〜〜〜んっ!!」
(桂さん…まさか、私の大嘘に気づいてないんじゃ?)
実は、そのまさかだったりする。
桂達に触れ合う事で、態度が柔らかくなってきた烏月。
とはいえ、普段あれだけ真面目で堅物な烏月がふざけるなんて考えつかない桂であった。
(よし、こうなったら更にとんでもないことを言って嘘を気付かせよう)
「どーすればいいの烏月さん?」
「桂さん……落ち着いて…実は呪いを解く方法がひとつだけあるんだ」
「なになに?」
749 :名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 01:33:42 ID:DNY3/+Bd
「それはね……贄の血の持ち主が裸になって、私にキスすれば呪いは解けるんだよ」
ついつい願望な嘘っぱちを言ってしまった烏月であった。
(いってしまった……でも、これならいくら桂さんでも気付くだろう)
「うん…わかったよ烏月さん……」
「え゛……?」
そういうやいなや衣類を脱ぎ出す桂。
プチ…プチ……シュルシュル……。
ドンドン服を脱いで行き、とうとう下着姿になる桂。
(ま、まさか……本当にやるなんて……)
「…………ううぅ」
勢いで下着姿になったが、流石に恥ずかしくなったらしく赤面して俯いてしまった。
(ああ〜私は、なんて事をしてしまったんだ………)
いくらエイプリルフールの嘘とはいえ、大切な桂を下着姿にして辱めてしまうとは……今、烏月は嘘付いた事を激しく後悔していた。
750 :名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 01:43:20 ID:DNY3/+Bd
『エイプリルフールの出来事』その5
(でも、やっぱり最後まで見たいな………よしっ、こうなったら行くとこまで行ってしまおう)
どうやら、烏月がした後悔は一瞬だけだった様だ。
さて、桂は?というと。
「〜〜〜っ」
羞恥心から赤面し、胸を隠すように両肩を抱いて俯いていた。
そんな桂に対し、烏月は優しく桂の両肩に手を置いて正面から向き合う。
「桂さん……」
「烏月さん……」
見つめ合うふたり。
「桂さん……脱いでくれるかい?」
「はい……」
751 :名無しさん@ピンキー:2010/03/16(火) 01:47:42 ID:DNY3/+Bd
桂が自分の下着を外そうと手に掛けた瞬間であった………。
―ガチャ
突然、アパートの扉が開かれた。
「桂ちゃ〜ん♪ただい………」
「柚明どうしたんだい固まって?いようっ!け………」
タイミング悪く柚明とサクヤが帰って来た。
そして、下着姿の桂と見つめ合っている烏月を見て固まる保護者達であった。
「柚明お姉ちゃん………」
「サクヤさん………」
『………………………』
しばしの間、その場には静寂が支配した………が、次の瞬間…………。
「烏月ぃ〜〜っ!桂を剥くなんてどういうつもりだいっ!!」
怒り狂いラゴウ化するサクヤ。
「桂ちゃ〜〜ん!!三十秒以内なら大丈夫よ〜〜〜っ!!」
なんかわからんが、取り乱している柚明。
とにかく保護者達は暴走した。
「柚明さん、サクヤさん違うんです!これはエイプリルフールで……」
見苦しく言い訳する烏月。
「え?烏月さん今までのって嘘だったの?」
ようやく嘘と気が付いた鈍感な桂。
なんにせよ、烏月と柚明とサクヤの闘いが始まってしまった。
結果……桂たちが住んでいるアパートの半径数キロが壊滅してしまい。
被害総額は信じられない額になってしまった(犠牲者は奇跡的に0人)。
こうした結果を見て、若杉葛はエイプリルフールを廃止する事を検討したという。
「なんて事でしょう…全てエイプリルフールの嘘だったらよかったのに………」
(若杉葛:談)