358 :さしこむひかり:2007/12/22(土) 17:08:06 ID:5VlePM+o

陽「あぁっ、今日もこの時が来てしまった!」


桂「陽子ちゃん?」


私は、もうお決まりの様になっている陽子ちゃんのその台詞にいつもの様に聞き返した。


陽「私とはとちゃんの間を裂こうとするこの歩道橋が憎いのなんのって。きぃいーー」


陽子ちゃん・・・そんな親の敵をみるような目で歩道橋を見なくでも・・・


桂「でもそれは仕方ないよ。陽子ちゃんの家は向こうの方だし・・・。」


陽「はぁ〜、家に帰ってはとちゃんが三つ指ついてお出迎えしてくれないこの寂しさ。

  陽子さんには耐え切れないよ、およよ」


もしもーし、陽子ちゃん

言ってることがいろいろとおかしいですよー

私の話を聞いてるのかなー?


桂「もぅっ、またそんなこと言って!私お嫁さんじゃないもん。」


陽「でも今のはとちゃんって実際サクヤさんのお嫁さんみたいなものでしょ?

   今日だって帰りに夕飯の材料買ってたじゃない。

   はぁあ〜、私もサクヤさんみたいにはとちゃんの家でくらしてみたいものだねぇ。」


むー、私とサクヤさんは一緒に暮らしてるだけだもん。

お嫁さんっていっても今はサクヤさんが帰ってくるのを待って陽「でも、はとちゃんのことだからきっとお塩とお砂糖を間違えて入れたり・・・お風呂沸かしてて・・・それに・・・あ、あと・・・」

家の中の事をしてるだけで・・・

そりゃあサクヤさんの事は好きだけどでも、サクヤさん帰りが遅いこともよくあるし陽「・・・んもーぅ、はとちゃんったら可愛いんだからーっ。ん?あれ?」   

一緒にいられる時間だって最近は・・・

それに私だって、もっといっしょに居たいってサクヤさんに言いたいけどサクヤさんにはお仕事があるし・・・

それにそれに


359 :さしこむひかり:2007/12/22(土) 17:09:12 ID:5VlePM+o

陽「お、おーいはとちゃん?私の言ってること聞こえてる?Can you hear me?。」


桂「わっ、わわわ、き、聞こえてるよ?、聞こえてる、うん、聞こえてる。」


陽「そっ、それならいいんだけどさ。

  それじゃああたしはこの辺で、明日も可愛い私のはとちゃんでいてねー。それじゃ。」


桂「わっ、わわっ、また明日ね陽子ちゃん。」


むぅ、陽子ちゃんったら私と別れたら歩くのはやい

私に合わせてくれてるのかなぁ、うぅ、ありがとうございます


だんだんと距離が開いて見えなくなっていく陽子ちゃんに背を返して

私はサクヤさんといっしょに暮らしている自分のアパートへと歩を進めるのだった。


360 :さしこむひかり:2007/12/22(土) 17:09:55 ID:5VlePM+o

カンカンかんかん


がちゃっ


桂「ただいまー、サクヤさんはやっぱりまだ帰ってないんだね。」


茜色の西日の差している部屋に入ると

私は持っていた鞄と今日の夕飯の材料をよいしょっとテーブルの上に置く


あのねサクヤさん、今日の荷物はいつもより重かったんだよ

最近すごく寒くて、サクヤさんが外で寒いだろうなって思ってお鍋にしたんだよ

ネギに白滝、白菜に木綿のお豆腐、それにちょっと奮発したお肉に春菊

つみれはいっしょに作って入れようね


テーブルの上の材料と鞄に目を落としながら

今この瞬間にもさっき私が使ったドアを開けてサクヤさんが帰ってくる

そんな淡い期待を胸にしている自分がいて


いつからこんなに感傷的になったのか

さっきまで重い荷物を持って冷たくなっていた手を胸に当てて

きっと差し込む西日がいけないんだーとか陽子ちゃんが別れ際に変なこと言うからだよ

と、自分に理由をつけてみても

いつも私の心の中を占めているのはサクヤさん

今日だって夕飯の買い物をしているときにはサクヤさんの事を想っていた


サクヤさんに私の作ったご飯を食べてもらって、おっ、おいしいじゃないかい桂ってサクヤさんに言ってもらう事を考えてた

サクヤさんの事を考えて材料を選ぶのは楽しかったら

サクヤさんに私がしてあげられる事があるのがうれしいから

サクヤさんの中の私をもっと私で、私が感じてるように大きなものとして感じてほしいから


こういうのって独占欲っていうのかな

ちょっと違う気もするけどでも、いっしょに暮らす前はこんなこと考えなかった。

経見塚での出来事があって、いっしょに暮らすようになって

私のサクヤさんに向けている想いは以前とは明らかに変化してるって自覚できてる。


サクヤさんとの事を考えてるときはすごく楽しい

でもふと独りでいることに今日みたいに気づくと、サクヤさんのことを考えて胸が締め付けられる様に痛くなる

頬が緩むくらいのうれしい感情と足元が無くなったように感じる切ない感情

サクヤさんのことを想って感じる気持ちのブレが怖い。


お母さんはお父さんと結婚したときにも同じように感じたのかなぁ

私が想ってるサクヤさんへのすきとお母さんがお父さんに感じてたすきは違うのかな


桂「うぅ〜、なんだか難しいよねそういうのって。よしっ。」


ひとつ宣言をして私は一端この話題から離れられるように

洗濯物を取り込もうとベランダへとぺたぺた歩いていくのだった。


桂「感傷的になってるときはやっぱり日常作業だよね。」


なんてよく分らないことを言いながら


361 :さしこむひかり:2007/12/22(土) 17:12:33 ID:5VlePM+o

プルルルルルルルル


陽「くっそー、この陽子さんが電話をかけてるんだから早くでなさいよね。」

 

帰ってきてすぐ

制服を着替えることも無くあたしは部屋へと続く階段の真ん中に座って何度目かの呼び出し音を聞いていた。

本当に帰ってすぐだったから廊下の電気もついてない

あるのは階段の上の窓から入り込んでくる夕日に照らされた木々の淡い木漏れ日だけ

今の私の気分にぴったりじゃない、とわたしは感じていた。


プルルルルルルルル


凛「はい、東郷ですわ。奈良さん?」

陽「お凛っ!ちょっとあんたもっと早く出なさいよこのおばかっ!」

凛「あら、それはわたくし到りませんで申し訳ありませんでしたわ。」

陽「むむむ、なんだか素直に言われると釈然としない感じ・・・。

   ってそんなことより聞いてよお凛!はとちゃんが乙女なのよ!ラブなのよ!」

凛「あら、それは大変ですわね。奈良さん。」

陽「そーなのよ、大変なのよ。二つあわせてガールラブなのよ。」

凛「さて、わたくしそろそろお電話お切りしてもよろしいですか?」

陽「わっ、ちょっとお凛!待って!話を聞いてっ・・・。あたしが悪かったから。」

凛「ですわね。まぁ、いつもの奈良さんらしくて結構ですけど。それで?羽藤さんがどうかしまして?」

陽「むぅー、なんだか最近はとちゃんのあたしに対するラブ度が下がってる気がする。」

凛「そう。それはお辛いですわね。」

陽「うー、今日の帰りもはとちゃんが夕飯の材料買うっていうからスーパーによったんだけどさぁ。」

凛「まぁ。」

陽「はとちゃんなんだかすごく幸せそうな顔しちゃってさ、一緒にいるあたしのことなんかそっちのけーみたいな感じなのよ。

   それではとちゃんって帰ったら家でサクヤさんにご飯作るでしょ?」

凛「羽藤さんの家族構成を考えるとそうなりますわね。」

陽「でしょー。あのはとちゃんの幸せそうな顔はサクヤさんがそうさせてるんだなって思うと、なんだかなーって。

  奈良陽子さんは思うわけですよ。はとちゃんのあの顔はぜったい乙女の顔ね。」

凛「妬けますわね。」

陽「誰が誰に?」

凛「もちろんわたくしが奈良さんにですわ。」

陽「あたしがサクヤさんにじゃなくて?」

凛「えぇ、わたくしが、奈良さんに、ですわ。」


362 :さしこむひかり:2007/12/22(土) 17:13:32 ID:5VlePM+o

陽「なっ、なななななっ、ちょっとお凛っ、本気!?」

凛「もちろん冗談ですわ。」

陽「うわっ、あんたいー根性してるわ。」

凛「それはそれはどうもありがとうございます。」

陽「むむー。」

凛「奈良さん?」

陽「むー、なによお凛?」

凛「少しは元気が出ました?わたくしに話してすっきりできました?」

陽「分ってるくせに、そーゆうこと聞くからあんたって苦手。」

凛「ふふふ、ほめ言葉として受け取っておきますわ。」

陽「ふーんだ、いつかみてなさいよー。」

凛「その日が来るのを楽しみにしていますわ、奈良さん。」

凛「最後に奈良さん、差し出がましいようですけど羽藤さんをあまり悪く思わないでくださいね。

  羽藤さんはきっと・・・。」

陽「ふーんだ、そんなことお凛に言われなくてもわかってますよーだ。」

凛「まぁ、それはわたくし重ね重ね差し出がましいことを。」

陽「あたしははとちゃんの愛のステディですから。」

凛「それは初耳ですわ。」

陽「あはは、あのさ、お凛?」

凛「はい、奈良さん?」




陽「・・・ありがと。」

凛「なんのこれしき、ですわ。」


・・・

・・・・

・・・・・

・・・・・・

ぷつっ、つーつーつー


電話を切ってからあたしは膝を抱えるようにして自分の体をかき抱く

冬の階段のひんやりとした冷たさが、さっきまでのお凛との会話でほてった体に心地いい

電話ではお凛にしてやられたみたいにいつも通りを心がけたけど

お凛相手にどこまで隠し通せてるかは分らない


陽「お凛ってなんだかあたしのこと全部分ってるみたいに話してて感じるもんなぁ。」


あたしはこつんと壁を横に体と頭をあずけてお凛のことを考える

お凛に見透かされてる気がするからあたしはお凛のことが苦手なんだろうか

あたしはお凛に心の中を見られるのが怖いんだろうか

あたしはお凛のことをどう感じているのか

お凛はあたしのことをどう想ってるんだろう

はとちゃんにはこんなこと感じないのに・・・


いろいろ考えたけどとりあえず今私に分かることは


陽「さっきのお凛は私のこと考えてくれてやさしくて良かったな。」


と、そう想う私の横顔は自分では人知れず木漏れ日に照らされて微笑を浮かべているのだった。

あたしはなんともなしにお凛の名前を呼びたくなって


陽「お凛のばーか。」


と目を閉じて壁に身体をあずけながら呟くのだった。


363 :さしこむひかり:2007/12/22(土) 17:14:29 ID:5VlePM+o

桂「よぉしっ、洗濯物を畳んじゃうよ。」


私はさっきまでの感傷的な気分を紛らわせる為に不自然な掛け声を挙げていた。

制服も着替えて掛けてあるし、お夕飯の材料も冷蔵庫に入れて冷やしてある

今私が家の中で出来ることはもう洗濯物を畳むくらいしかないのです


洗濯物をおりおり畳んでいる内に私は一枚のシャツに手をかける


桂「あっ、サクヤさんのシャツ・・・。」


私はそのシャツを胸元のポケットのついているラインにそってなぞってから手元に持ってくる

折り目正しく丁寧に畳んでから床に置こうとした

サクヤさんの白いシャツは窓から入る西日に照らされてオレンジ色に染まっていた

その色の持つセピアな感情に私の心は染められたのだろうか

私はサクヤさんのシャツを両手で抱えて鼻先まで持っていった


すんすん

すんすん


桂「サクヤさんのにおいがする。」


シャツから微かに感じられるサクヤさんの香りをもっと確かに感じたくて

私はシャツを両手で大事に包むように持って抱きしめる


桂「あったかい匂い、ずっと前から知ってる気がする。」


思い出されるのはサクヤさんの顔


桂「サクヤさん、早く帰ってきてよ。私早くサクヤさんの顔が見たいよ。」


サクヤさんのシャツを抱きしめている

サクヤさんの肌に密着しているシャツを抱きしめているという事実が私の動悸を速くさせていた

シャツを抱きしめているとサクヤさんの肌を直接触って抱きしめているようで

私はたまらなくなってきていた


364 :さしこむひかり:2007/12/22(土) 17:15:24 ID:5VlePM+o

桂「んっ・・・ふっ、ぅんっ、サクヤさん。」


もじもじと太股を擦り合わせて

股間に感じるもどかしさを慰めようとする


桂「ふっ・・・んっ、はっ、ぁはっ。」


たまらなくなって

私は抱きしめているサクヤさんのシャツにやわらかく甘噛みをして声を抑えようとする

もう自分でも濡れてきてるのが分るほどに興奮してる

サクヤさんサクヤさんサクヤさんサクヤさんっ


桂「はぁっ、んっ、くふっ。私っ今サクヤさんにキスしてるよっ、んっ、想像だけど、んぅっ、き、きすっ。」

桂「はぁ、はぁ、もう指でしちゃっても、大丈夫だよね。。。」


シャツは右手と口でしっかりと掴んで咥えながら左手はショーツの中に進めていく

触りたい

私の頭のなかはそのことでいっぱいだった


くちゅっ


桂「あっん、ん、ぁん、ぁっ。」


初めは割れ目に添って上下にこするように指をなぞらせていた

くちゅくちゅと言う音が私の頭の中に響いてきていやらしい気分で頭の中がいっぱいになる


桂「あっ、あっ、サクヤっ、さんの指が、わたしのここっ触ってるよっ、んぅっ、はっぁん。」

桂「もっと、もっとサクヤさんの指で触って私のこともっと触ってっ。」


くちゅっくちゅずっつぷっ


桂「んぅぅうっ、ぃぁ、あんっ。」


シャツをかき抱いた右手はそのままに

私は左手で膣のなかに中指を出し入れしていた

これが自分の指でなくサクヤさんの指だと感じながらやっていると

もっと気持ちよくなりたくて、出し入れしている中指にあわせて

腰をおねだりするように前後にくねらせるのだった


桂「サクヤさんっ、サクヤさんの指でっ、もっと出し入れしてぇっ

   サクヤさんで私っ、んっ、私っ、ぁっ、私っ、サクヤさんにも触りたいよっ。」


サクヤ「ただいまーって、けぇ?」


桂「ふぅっ、ふあぁっ、んっ、。」

桂「はぁっ、私っ、もう、もっ、ふぅっ、サクヤさんでいっちゃうよっ。」

桂「もう我慢できない、ぁんっ、いかせてっ、わたしっ、サクヤさんの指でいかせてぇっ!」


桂はあたしがいる事に気づいていないのか

あたしの目の前であたしのシャツを咥えながらあたしの名前を読んで

足先をぴんと反るようにのばして

その・・・・いっていた

あたしは桂が自慰行為をしていたことよりも、桂があたしの名前を呼んで

あたしでしていたことの方が動揺を呼んだんだ


桂「はぁはぁっ、あっ、ぁはっ、サクヤさんでいっちゃった。」


365 :さしこむひかり:2007/12/22(土) 17:16:43 ID:5VlePM+o

サクヤ「っ・・・け、桂?」


桂の赤みをさした頬ととろんとした目

それに最後のこあくまのような台詞があたしの視線を桂に釘付けにさせた

それに桂の秘部はあたしの目線からはショーツの濡れとその隙間から見え隠れしていて

桂から目を話すことが出来無い・・・・


桂「へ・・?サクヤさん?」

サクヤ「あ、あぁ、あたしだよ・」


桂「わっ、わわわわわわわわわっ、さ、サクヤさん、そっ、そのですねっ、あのですねっ

   こ、これはそのぅ、なんと言いましょうか。う、うぅ〜〜〜〜。」

サクヤ「あ、あぁあたしはべ、べつに。」


はじめて目にする桂の痴態と桂の・・・性器に興奮して

会話になっていない会話をしていると意外にも桂の方が


桂「さ、サクヤさんっ!ちょっとこっちにきて!」


と、言うのだった

あたしは蜜に吸い寄せられる蝶のように、桂のその言葉に、桂に吸い寄せられたのだった


一歩桂に近づく

とくんとあたしの胸が高鳴る

二歩桂に近づく

桂の上気した顔がはっきりと見える

三歩桂に近づく


桂「えいっ。」

サクヤ「ちょっ、け、桂っ。」


桂の伸ばした手に着ていたシャツを引っ張られあたしはバランスを崩した

ぽふっと桂のなだらかな胸に抱きすくめられる形になって

あたしはなんだか急に恥ずかしくなった


サクヤ「桂・・・。」

桂「わっ、サクヤさん恥ずかしいから今はこっちみないで。」


桂の顔を見上げようとしたあたしを桂はまたぽふっと胸に押しやる


サクヤ「け、桂っ、これじゃ息ができないよ。」

桂「わっ、わわっごめんなさい、でもまだ恥ずかしいし・・・・

   うぅ〜、それなら。」

サクヤ「桂?」

桂「あのねサクヤさん、首筋から血をすう時みたいにしてくれる?

   それなら顔も見えないし。」


うっ、桂あんた、その頼み方は卑怯だよ


サクヤ「あ、あぁ、分かったよ。」


366 :さしこむひかり:2007/12/22(土) 17:17:54 ID:5VlePM+o

あたしはもぞもぞと桂に言われた通りの格好に身体をもっていこうとする


桂「ひゃっ、も、もぅサクヤさんっ、変なところ触らないでよ。」


変なところって・・・今更そんな、あんたねぇ


サクヤ「ふぅ、まぁ取りあえずこれでいいかい、桂。」

桂「う、うん、だいじょうぶです。」


それからしばらくして落ち着いたのか桂はぽつっとあたしに話しかけてきた


桂「サクヤさん、あのっ、その、見たよね?」


今桂がどんな顔をしているのかは知らないけれど

耳が真っ赤になって熱くなっているのがあたしにも分かったから

桂が取り乱さないようにゆっくりと

そして桂にきちんと聞こえるように小さく頷いて答える


サクヤ「見たよ、桂のしてるところ。」


あたしがそう言った途端に桂の身体がぴくんっと震えて

ふるふると全身総毛立ったようになるのが分かる


桂「うぅ〜、そんなにはっきり言わないでよ。」

サクヤ「見ちまったもんは見ちまったんだし、しょうがないだろ。

     それとも何かい、あたしに見てませんって嘘吐いてほしいのかい?」

桂「そういうわけじゃないけど、でも、あのっ、その。」


多分真っ赤になってしどろもどろになっているだろう桂

もごもごと行き詰ってしまった桂

なんだかそんな桂が可愛く感じられてあたしは桂に問いかける


サクヤ「見られて恥ずかしかったのかい?」


時間はかかったけど少しの間をおいて


桂「・・・・・うん。」


ぽつりと、桂はそう答えた


サクヤ「そうかい。」

桂「あのね、でもサクヤさん、私ね、あのね。」

サクヤ「あたしのこと見られるかい?」

桂「あっ、うー、しばらくは無理かも。」


ほんとにしょうがないねぇこの子は

これはあたしも覚悟した方がいいねぇ


サクヤ「桂、あんたなんで恥ずかしいんだい?」

桂「それは、サクヤさんに、その、してるところ、見られて。」

サクヤ「それで?」

桂「それで、その、サクヤさんに嫌われるんじゃないかって、思って。」

桂「それで、それで、怖くなって、サクヤさんの顔みられなくて。」

サクヤ「それで全部かい?」

桂「うん、うんっ・・・ひくっ。」


367 :さしこむひかり:2007/12/22(土) 17:19:42 ID:5VlePM+o

全部話して楽になったのかひくひくと桂は泣き出す

まったくほんとにこの子は

やっぱりあたしも覚悟した方がいいねぇ


サクヤ「桂、ほんとのこと言うとね、桂があたしでしてるのが、ちょっと嬉しかったんだよ。」

桂「え・・・?」


さっきまでふるふると泣いていた桂がぴたっと震えを止めてあたしのことを見る

その惚けたような真剣なようなどちらもがないまぜになった表情にあたしも覚悟を決める


サクヤ「実をいうと、桂、あたしも、桂でしてるよ・・。」

 

桂はぴくりとも反応せず真剣な表情で聞き返してくる


桂「サクヤさんも、私でしてるの?」

サクヤ「うっ、あんたストレートに聞くねぇ。」

桂「答えて、サクヤさん。」


なにか大切なものを確認しようとしているかのようなその真摯な表情と声色にあてられて


サクヤ「あぁ、桂で、してるよ。」


と、薄く目を閉じてあたしに出来る精一杯で答えた

桂はすぐにうつむいてあたしはすこし困ったけど


桂「そっか、サクヤさんも私でしてるんだ、あははっ。」


と、そういった声が喩え様も無くすずやかで綺麗な声だったので

桂が泣き顔のように微笑んでいるのがわかってしまい

そんな桂がとても可愛く思えてしまってあたしは桂をくいっと抱き寄せてこう言うんだ


サクヤ「桂、今から桂としてもいいかい?」


桂からの答えは分かってるけどでも、桂の口から、桂の言葉で、桂の声で聞きたかったから

あたしは桂の答えを待った


桂はやっぱりさっきと同じ表情のまま一拍おいて


桂「うん、いいよ。サクヤさん。」


微笑みながら言った

あたしはその言葉だけでもう十分とばかりに桂の首すじにキスをして桂をそっと押し倒すのだった。