4 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 03:55:20 ID:qhlR+4MV

「お腹が空くんですよ」

「……?」

 突然の上司の一言に千羽烏月は首を傾げた。

 鬼切りの仕事の報告を上司――若杉葛に行ったのだが、それまでの話など興味ないといった様子で葛は烏月に向けて言った。

 適当に相槌でも打つべきかと烏月が考えていると葛は続けてくる。

「ですから、烏月さんの血を頂こうと思うんです」

「葛様?」

 先ほど以上に突拍子のない葛の発言にさすがの烏月も驚きの声を上げずにはいられなかったが、葛は応えることなく執務椅子から立って烏月に近づいていく。

「この身長差ではいかんともし難いですね」

「葛様……なっ!?」

 困惑する烏月が、彼女を見上げる葛の瞳が赤く染まっていることに気付いたときには遅かった。

 葛の耳は狐のそれに変わり、スカートの裾からは尻尾がちらつく。

「こちらのソファーに行ってもらいましょうか」

「はい……」

 一言主神の力を行使できる姿となった葛の言霊に操られ、言われたソファーへと腰掛けさせられる。

「意外と素直ですね。それなりに自由は残しておいたのですけど」

「それが主命とあれば」

 葛が言うように口は自由に回るし、身体もある程度――この場から立つこと以外――は動かせる。

 とはいえ、鬼切りの頭の命は絶対だ。

 血を吸われることに若干の不安はあるが、相手は信頼できる上司であるし、こんな暗示など使われなくとも血を差し出す覚悟は烏月にはあった。

「結構な心がけです。ですが、それだと少々面白味に欠けるのですよ」

 首に腕を回し、すがりつく格好で葛は烏月の顔を覗き込み、肉食動物を思わせる獰猛さを内に秘めた笑みを浮かべる。

「それはいったい――んんっ!?」

 ただならない様子の葛に烏月は問いかけようとするも、葛の片手が制服の上から烏月の胸をさすり、不意の嬌声に遮られる。

「可愛らしい声ですねえ、もっと聞かせてください」

「葛、さま……ふぁ、んっ、何を……!?」

 さする手つきを強めていき、指を使って揉み始めると胸の形が崩れるのが制服を着ていてもわかるようになる。


5 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 03:57:16 ID:qhlR+4MV

「言ったでしょう? 普通に吸っても面白くないと」

「ですが、いくらなんでもこれは、んっ……ふぅ……」

 今度は葛の唇に阻まれた。

「ちゅ……ん、ぺろ……」

 瞼を閉じて口付け、きゅっと閉じられた烏月の唇を舌先で舐め上げる。

 その間、巧みにネクタイを外し、制服の上着を肌蹴ていく。

「ファーストキス……ということはないですよね。最近、桂おねーさんと仲がよろしいみたいですから」

「な……!」

 唇を離し、表情が驚愕の色に染まる烏月。

「その反応は肯定と受け取っておきましょうか。この後も桂おねーさんと会う約束みたいですしね」

「……っ!!」

 プライベートまで調べられていることに思わず烏月は葛を睨みつけるが、それ以上のことができないのは鬼切りの頭が相手だからか暗示のせいだからか。

「まあ、そう時間は取らせませんからご安心を。さっさと進めましょう」

 烏月のわずかな反抗を意に介さず、葛は視線を肌蹴てブラジャーが見える胸元に移す。

「制服もですけど、ずいぶんと窮屈そうなんですよね……ほら、こんなにたわわじゃないですか」

「や……はぁ、んっ……」

 余り飾り気のない白いブラジャーを上にずらされ、双丘が葛の眼前に晒される。

 加えて、乳房の輪郭を指先で撫でられると、烏月は羞恥心から顔を真っ赤に染め、現実から目を背けるように瞼を閉じる。

「ちゃんと大きさに合ったものを着けないと駄目ですよ、烏月さん。今からわたしがサイズを調べ、見繕ってあげましょう」

 両の乳房にそれぞれ手のひらを添え、ゆっくりと力をかけて指を食い込ませていく。

「あ……くぅ……」

 湧き出る快感から大きな声が零れそうになるのを烏月は奥歯を噛み締めて耐える。

「我慢しなくてもいいんですよ。どうせ外には聞こえませんから」

 小さな葛の手のひらでは烏月の胸は言葉通り手に余り、ぺたぺたと触れる個所を忙しなく変えながら愛撫していった。

「く……んっ……」

 烏月はソファーの表面を握り締めて快感に抗い、表に出さないように努めるが理性ではどうしようもない部分が反応を見せだした。


6 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 03:58:03 ID:qhlR+4MV

「感じているんですね〜先端が立ってきましたよ」

「ふあぁ……んんっ!」

 目ざとく胸の頂上が固さを増し存在を主張しだしてきたのを葛は見つけ、指先で摘み上げると、烏月の身体に今まで以上の快感の刺激が走り、口元が緩んで声が出てしまう。

「滑らせたほうがいいですかね。ん、ふ……」

 恐る恐る現状を確認しようと烏月が瞼を開くと、乳首に吸い付く葛と目が合い、気恥ずかしさが募る。

 そして自らの行為を見せ付けるかのように葛は一度口を離し、舌を出して胸の先端を下から上へと舐めていく。

「あぅ……ふぁ……んっ……」

 繰り返し舐め上げるたび烏月が身体を震わせその胸が揺れると葛は満足げに微笑み、たった今まで舐めていた場所を先ほどより強く指で挟んだ。

 唾液で濡れ、よりぷっくりと赤く膨れてきた胸の先端を引っ張り上げながら指先で摘んで潰しスライドさせる。

「んんっ……いぁ……」

 敏感な性感帯から強烈な快感が湧き上がってくるのに対し、烏月は呼吸を整え気力を振り絞り再び目を閉じて抗おうとする。

 しかし、単純な痛みとは異なる慣れない感覚に、抑えきれずくぐもった嬌声が漏れ、表情も全く余裕がなくなり快楽で彩られていく。

「さて、そろそろ頂きましょうか」

 そう言って、乳房を鷲づかみにして固定し、盛り上がった皮膚に葛は犬歯を突き立てた。 

「っ――あっ!」

 肌を破る痛みが貫く。

 こういう痛みのほうがわかりやすくていい――などと思ってしまう自分は異常なのだろうかと烏月は考えるが、葛の次の行為にすぐさま霧散させられる。

「れろ……ちゅ、ん……」

 母乳を搾り出すようにして乳房をゆっくりと圧迫し、葛は血を啜り出す。

 傷痕が熱い。

 血が身体から流れ出ることなど烏月にとっては何度も経験したことであるが、それを啜られることは初めてであった。

 触れた唇が痛みを緩和したと思うと、血を無理に吸い上げられ傷口が疼く。

 胸という位置の影響もあるが、この強弱が快感を喚起し、烏月は葛との吸血行為に蕩け酔っていく。


7 :名無しさん@ピンキー:2007/03/12(月) 03:59:17 ID:qhlR+4MV

「さすが千羽の血です。美味しいですよ、烏月さん。こうしたら……もっと美味しくなるでしょうね」

 にやりと笑い、葛は血の流出を促していた手をさらに深く乳房に食い込ませる。

「くあぁ……んんっ、つ……葛……さま……ふあぁぁっ」

「ん……く、んっ……」

 再び血を啜りながら、葛は烏月のもう片方の乳房を揉みしだき乳首を執拗に擦り上げる。

「あふぅ、ん……あ……ひあぁ、んんっ……」

 快感と痛みの刺激に打たれるたび、烏月は身をくねらせ息を乱して吐く。

 葛は搾り出した血に吸い付き、舌を這わして体内に取り入れ、胸への愛撫も混ぜて烏月の性感を高めていき、

「つあぁっ、んんんっ!!」

 爪を鋭く乳首に突きたてると、それがとどめとなり、天を仰ぎびくびくと身体を震わせ烏月は絶頂を迎えた。

「達しましたか。やはり、追い詰められたときの血は格別ですね」

 傷口から唇を離し、葛はぐったりと力なくソファーに深く腰を埋める烏月の顔を覗き込む。

 達したばかりで返す余裕のない烏月は満足げな葛の表情を見て、このような仕打ちを受けながらも、とにかく心の中で安堵した。

 これで終わると。

 そんな烏月の思いに気付いてか、葛は唇に付着した血を舌舐めずりして拭い、嘲笑うかのように語りかける。

「ですから、もっと追い詰められたらそれはもう極上の味に……」

「あ、ふぁ……!?」

 烏月がその言葉を理解する前に、葛はその手を彼女の制服のスカートの中へ伸ばした。