509 :名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 20:27:21 ID:bCgiJS8B

「白花ちゃん、白花ちゃん」

「なーに、桂ちゃん」

「わたしの足、舐めて」

「……へ?」

 白花が一人で積み木遊びをしていたところ、部屋の中に入って来た桂が開口一番に放った台詞は、

今までに類を見ないものだった。

 双子の妹からの無茶振りは日常茶飯事であり、その度に半強制的に付き合わされる白花であったが、

さすがにその要求には言葉を失う。

 えーと、と口ごもりながら考えをまとめることしばし。

「嫌だよ、汚いもん」

 出てきた回答は当然と言えば当然のものだった。

 しかし、そんな白花の言葉に、してやったりと口元を緩ませ、

「汚くないもん。ちゃんとお風呂場で洗ってきたばっかりだもん」

 えっへん、と胸を張る桂。

 突っ込みどころは多々あるが、悲しいことにその突っ込み役は桂と同レベルの思考回路の持ち主であった。

 あぅあぅ、とうろたえながら、それでも足を舐めることには抵抗があり、必死に逃げ道を探す白花。

「だいたい、なんで足なんて舐めなきゃいけないの?」

「すっごく気持ち良くなるんだって。漫画に描いてあったんだよ」

「それ、なんて漫画?」

「わかんない。柚明お姉ちゃんのお部屋においてあったものだから……」

「ゆーねぇの!?」

 瞬間、しまったと桂の表情が曇るが時すでに遅し。

 それまでの警戒が好奇心に入れ替わり、瞳をキラキラと輝かせる白花の姿がそこにあった。


510 :名無しさん@ピンキー:2008/06/20(金) 20:29:23 ID:bCgiJS8B

 桂も含め、この双子にとって実の姉のような柚明の存在は、場合によっては両親よりも比重が重く、

基本的に仲の良いこの二人が対立するのは大抵が柚明関連のことであった。

 先日、些細なことからばっさりと切り落としてしまった髪のことを思い出し、チクリと心が痛む。

 そんな桂の心情を珍しく気づかなかったのか、それともあえて無視したのか、白花は身を乗り出し、

「それじゃ、桂ちゃんがぼくの足舐めてよ」

「えー、なんでー」

「ぼくも気持ちよくなりたいもん」

「でも、足舐められてたの女の人だったよ」

「舐めてた方は?」

「……女の人」

 妙なところで勘の鋭い白花。

「ほらね、ぼくが舐めても気持ちよくならないかもしれないじゃないか」

「うー、わたしが舐めても、白花ちゃんが気持ちよくならないかもしれないもん」

「それなら、やってみなきゃわかんないのは同じだよね?」

「うー」

 大抵のことなら無理を押し通せばなんだかんだで素直に従ってくれるのに、柚明が絡んでくると途端に

一歩も譲らなくなる双子の兄に不満の声を漏らす桂。

 地団太でも踏み鳴らしたいところではあったが、先日の一件で白花にも迷惑をかけた手前、あまり強引な

手段を取ることはできなかった。

 その後も幾度かの衝突を繰り返しながら(基本的に桂が文句を言っては白花に切り返されるという流れの

繰り返しだったが)、お互いがお互いの足を舐めるという結論が出たのはそれから20分ほど後のことだった。



ここまで書き上げて浮上した問題が二つ

一つ、百合じゃないことは当然として、年齢的にペドに片足突っ込んでる

二つ、もろにこの後の展開がダダ被りorz